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TOP > SAMT-NETセミナー > ヤンデル先生の対比教室 第10回

第10回:ツイッターなんかやってるとろくな大人になれないと思いますがもう大人だからいいの

 はいこんにちは。この原稿を書いているのは 10 月 1 日でございます。めっきりと秋も深まりはじめております。……と、普通の時候の挨拶を致しますと最近は心配されます。「どうしました?普通ですよ」。うるせぇ。
 本日も前回に引き続き、大分にて開催された「北部九州エコーライン」でエコー技師さんから頂いた質問をフィーチャーして参ります。本日の質問はこちら。「一部のスキルス胃癌の第 3 層が肥厚している理由を教えてください」。
2 型癌や 3 型癌のような「第 3 層が断裂する癌」と、一部の 4 型癌を比較して検討しましょう。
 通常の 2 型癌・ 3 型癌では、腫瘍細胞は固有筋層などの既存構造を破壊・駆逐して増殖します。
 左の図は 2 型癌の一例です。腫瘍が浸潤する際に、周囲の構造を「ひきつれさせている」ことに注目してください。粘膜下層、固有筋層とも腫瘍によって完全に断裂しており、腫瘍中心部に向かって病変やその周囲の構造がひきつれています。これが一般的な消化管進行癌の形態です。
これに対し、一部の 4 型癌では、腫瘍細胞が「既存の層構造をあまり破壊せず」、「隙間に染みいるように」層をまたいで増殖することがあります。
 以下に、 4 型癌の一種で latent linitis plastica と呼ばれる病変を示します。第 3 層に相当する粘膜下層が画面中央部 で少しピンク色に変化し肥厚している以外は、きちんと層構造が保たれている病変です。
 

Azan 染色では、粘膜下層に青い膠原線維がいっぱい。「周囲に対するひきつれがなく」、「層構造を保ったまま肥厚している」ことがわかります。ここで癌細胞を染めるサイトケラチン免疫染色を見ると……。
 
 細かい茶色の点すべてが癌です!粘膜下層だけではなく、変化がなさそうに見えた固有筋層においても、「筋肉の隙間に染みいるように」癌細胞がぱらぱらと浸潤しています。「周囲の構造を破壊・駆逐することなく、あらゆる隙間にもぐりこみ、様々な量の線維を作りながら粘膜下層や固有筋層を肥厚させる」という性質を持つ癌です。
2 型癌と(一部の) 4 型癌の違いはどこにあるのか?「癌細胞のしみこみ方が違い、さらには線維化の生じ方が異なるため、破壊・ひきつれのパターンが異なる」、というのが一つの答えになります。今日の話題は消化器専門医にもあまり理解されていませんが、非常に重要です。
 
( ・?・ ) パターン外病理医→ :