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TOP > SAMT-NETセミナー > ヤンデル先生の対比教室 第16回

第16回:ついに文芸誌にコラムを頼まれたのだが直近で同欄のコラムを書いているのが本田翼と聞き自分の存在意義を問い直している

 こんにちは。病理医ヤンデルでございます。 Twitter のフォロワー数がついに 30000 人を超えました。もはやどこに向かっているのかわからない状態ですが、病理医志望の学生さんからも頻繁に連絡が来るようになりましたし、広報にはそれなりに役に立っているのかなあとも思います(ぐるぐる目で)。
本コラムも第 16 回となりました。なかなか体系だったお話はできず、毎回「原稿〆切時にちょうど扱っている題材」を適当に書いている状態でございます。実は本コラム、第 8 回のときに「ここまでのあらすじ」というのをまとめましたので、今回もまた「第 9 回から第 15 回までのあらすじ」をご紹介しようと思います。バックナンバーは札臨技のホームページからもご覧になれますよ。
 
【ヤンデル先生の対比教室 ここまでのあらすじ (2) 】
・第 9 回:「消化管などで、炎症の波及に伴う腸間膜脂肪織の高エコー化と、腫瘍の浸潤に伴う腸間膜脂肪織の高エコー化には何か違いがあるのか」という質問に対し、「組織ではかなり違うけどエコーではほとんど違いがないよ」とお答えした回です。豚バラ肉に墨汁を入れてエコーで観察するという実験を用いて、脂肪織の高エコー化がどのような機序で起こりうるかを解説しています。
・第 10 回:「消化管癌において、第 3 層が肥厚するケースがあるがどういう現象が起こっているのか」という質問に対し、癌細胞の浸潤パターン・線維形成パターンにバリエーションがあること、周囲組織の破壊や引きつれにも何パターンかあることをご説明しています。一般的な 2 型の進行癌では固有筋層はつぶれてしまうことが多いですが、一部の 4 型癌では固有筋層内に腫瘍細胞が五月雨(さみだれ)式に入り込み、固有筋層の肥厚を伴う場合があります。同じ進行癌といってもその形態は様々であります。
・第 11 回:「肝細胞癌と転移性肝癌、どちらにもハローのような像が出るが、違いは何か」という質問に対し、肝細胞癌のハローは線維性被膜+周囲の圧排によって出現するが、転移性肝癌は胞巣周囲の壊死や炎症が入り交じった層が辺縁の不均質な低エコー帯として観察されていることを説明しました。意外と知られていない事実で、肝臓専門医、さらには病理専門医でもあまりこの点を認識していない場合がありますので注意が必要です。
・第 12 回:消化器がん検診学会の北海道支部会で教育講演を頼まれた際、抄録に載せようと思って結局ボツにした原稿をそのままこのコーナーに持ってきました。内容は「検診においてエコーが有用、ということをそんなに簡単に言ってしまっていいのか?」というものです。超音波診断が普及するためには、一例一例に真摯に向き合うことも重要ですが、「集団に対してある検査を施行する意義」についてもしっかりと考えておかなければいけないと思うのです。そのために必要な知識の一つが、第 15 回で説明した「医療統計学」になるのですが …… 。
・第 13 回:肝血管腫は頻繁に遭遇する疾患です。ただ、実際に切除された肝血管腫を見る機会はそうそうありません(良性ですので当たり前)。そこでこの回では、「様々な理由で切除された肝血管腫」の組織像をご紹介しています。血管腫の超音波像を理解する上でも一度は見ておきたい像だと思います。リアス式海岸のような境界、内部に血流を溜めた性状などにご着目ください。
・第 14 回:ウイルス性肝炎(例: C 型肝炎ウイルスによる肝炎)と、 NASH (非アルコール性脂肪性肝炎)とでは、例え新犬山分類で同じ「 A1, F2 」だったとしてもその組織構築が全然違うのだということを解説しています。肝臓専門病院でも無い限り、超音波検査技師にとってここまでの知識は必要ない気も致しますが、「超音波像を解釈するときに、病理診断の文章の一部だけをとらえて対比することは危険」という原則を考える上で示唆的な回ではないかと思います。
・第 15 回:医療統計学、疫学について「赤ワインが体にいいという ” 間違った ” 考え方はどのように広まってしまったのか」を題材とし、医療統計を正しく学ぶことの必要性について訴えた回です。以前、こういうことを学会で発言したときに、その後の懇親会で「あの病理医は我々がせっかく楽しく症例検討しているのに無粋なツッコミばかり言いやがって腹の立つ男だ」と言われていたことがあったそうですが(伝聞)、たいていの超音波技師さんには賛同して頂けた内容でもありましたので、問題提起の意味でもきちんと文章にして残しておきたかったのです。
 
 直近の 7 回を見てみますと、超音波画像と病理との対比について学ぶというより、「病理診断の言葉ひとつに踊らされるな」とか、「字面ではなくその先にあるものをしっかり読むべきだ」というような説教臭いことをよく書いております。偉そうなことばかり申し上げておりどうもすみませんが今後ともよろしくお願いいたします。
  ( @ω@ ) ぐるぐる目 :