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TOP > SAMT-NETセミナー > ヤンデル先生の対比教室 第6回

第6回:仕事に粉骨砕身してきた人間に「ツイッターばっかりやってますけどいつ仕事してるんですか?」と尋ねると心が折れる
連載開始から、ほぼ一年が経ちました。いつも大変お世話になっております。当初は、一例ごとの対比を毎回載せていく予定だったのですが、思ったよりも総論に時間を取られてしまい、一年経ってもまだあまり症例をご紹介できていません。来年度はもう少し個別の症例をご紹介しましょうね。連載クビになっていなければですが。
 年度を締めくくる今回は、「総論」の最後ということで、「超音波画像・病理対比をやる際のプレパラート写真の用意方法」についてお話しいたします。
 学会や研究会発表、論文執筆の際に、病理の画像が必要と言われたら、どうするか。自施設の病理医に、「写真を撮ってください」と言うと、高確率で「マクロ写真+ミクロの強拡大の写真」が手渡されます。
マクロ(検体の肉眼像)を渡してくれないときはちゃんと催促しましょう。マクロは、画像対比における基本中の基本です。写真がないケース(生検しかしていない場合など)を除いて、必ず手に入れましょう。
次に、ミクロの画像について。しばしば病理医は「強拡大」の写真を撮りたがります。細胞像ははっきり見えますし、組織型についてもばっちり診断可能、ですが……。実は、強拡大では、「画像との対比」はまず無理です。拡大された病理組織が、画像のどこに対応するのか全くわかりません。
多くの病理医は、特に注文を受けない場合には、「画像対比のための写真」ではなく、「診断を確実に説明できる写真」を撮ります。ですから、「超音波をよりよく理解するための=病理対比のための写真」が必要な皆さんは、写真の撮り方をきちんと注文しましょう。その方が、病理医もラクです。「病理医は話しかけにくいから、注文もしづらい」などというお話を聞くこともありますが、大丈夫!病理医は孤独ですので、話しかけると犬のように喜びしっぽを振りどんな仕事でもやります。
 さて、対比用の病理写真を注文する一例です。
 「ルーペ写真(もしくは施設で撮れる最弱拡の写真)を 1 枚、弱拡大を 1 〜 2 枚、強拡大を 1 枚お願いします」
 基本はこうでしょう。場合に応じてこれに追加します。
 「ルーペ写真」は、最重要です。過去の「対比教室」で用いた写真はルーペ写真ばかりです。拡大を上げた写真はほとんど使っていません。甲状腺だろうが乳腺だろうが、肝臓だろうが膵臓だろうが消化管だろうが、とにかくルーペ写真さえあれば、重要な部分をかなり解説できます。
 弱拡大写真については、「対物 4 倍から 10 倍くらいの弱拡大で、『キモとなる部分』を撮って欲しい」と言いましょう。キモとなる部分とは、たとえば「浸潤部」であり、「壊死がある部分」であり、「背景と病変の境界部」です。「石灰化」、「組織型が異なる部分」、「線維化がわかりやすい部分」でもいいですね。今後、連載でも触れていきます。
 強拡大写真は、画像対比には無力に近いため、あまり真剣にお願いする必要はありません(特に技師さん中心の研究会の場合はほぼ不要)。ただし、「診断が妥当であることを担保する」目的で、 1 枚あるとプレゼンが引き締まります。また、悪性リンパ腫や比較的レアな肝腫瘍・膵腫瘍のような、診断に複数の免疫染色が必要な病変の場合には、強拡大で免疫染色も撮ってもらった方がいいです。
 なお、膠原線維を染め分ける、「 Azan 染色」もしくは「 Masson 染色」の写真があると、病変内外の線維の量を見ることができて、大変便利です。これらの「特殊染色」は、免疫染色と違ってコストが安く、学会用に追加注文してもあまり心が痛みません(病理技師さんの負担は増えてしまいますが……)。
 最後に、(いろいろな事情で)病理医に写真を撮ってもらえない!という場合。病理検査室にプレパラートを借りて、自分で写真を撮りましょう!とりあえず、ルーペ像だけでいいです。
撮り方はこんなかんじ。デジカメです。右のカメラは、普段は臓器を撮るために使用しているものですが、ここまでハイスペックじゃなくても大丈夫。 iPhone のカメラで撮ることも可能です。ただし、暗くなることが多いので、「ノート PC の画面に Powerpoint などで白い背景を表示し、それをバックに写真を撮る」などの工夫は必要です(透過光のほうがきれいに撮れる)。
手に入れた病理写真の解釈にはコツが必要ですが、解説が必要な場合にはぜひ市原をお呼びください。電話(札幌厚生病院 011-261-5331 )で結構です。メールでも OK 。「ころにぃ」を見た!と言っていただいた方には必ずお手伝いさせていただきます(本当です)。ご利用ください。
( っ ' ャ 'c)< 「アド街を見た!」